岩合光昭写真展 「地球の宝石」のご案内

© Mitsuaki Iwago

開催概要


© Mitsuaki Iwago
タイトルの地球の宝石とは、絶滅危惧種もしくはそれに最も近い生物種という意味であります。かけがえのない貴重な生命たちがはかない存在となってしまったのは、それは彼ら生き物自身の摂理なのか、はたまた我々 "ヒト" が招いてしまった大いなる "罪" によるものなのか。
岩合氏が40年近くに渡り撮影してきた写真の中から、既に絶滅してしまった動物や、もはや人間が立ち入れない保護環境での貴重な生き物たちの姿、そして震えるような風景等々。生命と自然賛歌の数々を地球規模でのラインナップにて展開いたします。
その岩合氏の写真に、「ブルーデイブック」シリーズでお馴染みのブラッドリー・トレバー・グリーヴが、詩のような感情溢れる文章を添えました。

ごあいさつ

 最近、地球環境について話題となることがとみに多くなったと感じています。ぼくの被写体は地球の自然と野生動物です。野生動物は自然のバランスが整っていなければ生きていけません。それゆえ自然環境の変化も取材の対象となっていきます。さて最近、アフリカの最高峰キリマンジャロに登頂してきます。ただ山に登ることだけが目的ではありません。キリマンジャロとは現地の言葉で「白く輝く山」という意味です。白く見えるのは頂上付近の雪氷、その雪氷が地球温暖化、そして山腹の森林伐採のために10〜30年後には消滅してしまうのではないかといわれています。30年以上前からぼくはキリマンジャロの麓に生きる野生動物の撮影を続けていますが、実際に麓から望んでみてもキリマンジャロの雪氷は少なくなってきていることが分かります。キリマンジャロの雪解け水がもたらす湿地帯に集まる動物たちの暮らしも、もし雪氷がなくなってしまうことでもあれば大いに影響します。そしてそれは当然わたしたちヒトの暮らしにもかかわってくるものなのです。
 ご覧頂く作品の多くは「地球の宝石」という本の中からの写真ですが、新たに撮影したものについてもぜひ見ていただきたく、追加することにします。文はぼくの友人のB.T.グリーブ氏が誠意をこめて書いたものです。新たな作品にはぼくが一部加筆訂正をしています。

岩合光昭


© Mitsuaki Iwago


展示内容

・写真作品 86点(アルポリックパネル)
・B・トレバー・グリーヴによる詩(アクリルパネル)
・絶滅危惧種一覧パネル
・バナー

岩合光昭プロフィール

岩合光昭 いわごうみつあき。1950年東京生まれ。
19歳のとき訪れたガラパゴス諸島の自然の驚異に圧倒され、動物写真家としての道を歩み始める。以来、地球上のあらゆる地域をフィールドに撮影を続けている。
その美しく、想像力をかきたてる写真は「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙を2度にわたって飾り、全世界で高く評価されている。木村伊兵衛賞を受賞した「海からの手紙」(朝日新聞社)や全世界でベストセラーとなっている「おきて」(小学館)をはじめ、数多くの写真集を発表。
近刊に「ネコを撮る」(朝日新聞社)「地球動物記」(福音館書店)「パンダ」(新潮社)「いのちの記憶」(世界文化社)「Don't Worry」(TOKYO FM出版)などがある。

ブラッドリー・トレバー・グリーヴ プロフィール

ブラッドリー・トレバー・グリーヴ BRADLEY TREVOR GREIVE
1970年オーストラリア、タスマニア島出身。少年時代をイギリス、香港、シンガポールで過ごす。その後オーストラリアにもどり陸軍空挺部隊仕官になるが、除隊。画家、漫画家、家具および玩具デザイナーとして活躍。最初に出版された「ブルーデイブック」は日本をはじめ世界的なベストセラーになり、人気作家の仲間入りをする。
主な著作に「ブルーデイブック」シリーズ、「ディア マム」「ルッキング フォー ミスター ライト」「ミーニング オブ ライフ」「マザー」「トゥモロー」「ディア ダディ」(竹書房刊)。最新作に「愛について思うこと」などがある。

写真展のお問い合わせ

information@m-m-color.com